電子出版のご報告「離され島冒険記」ー序章(抜粋)

離され島冒険記

この度、Amazon Kindleにて電子出版を致しましたので紹介させていただきます。Kindle Unlimitedご利用の方は本編が追加料金無しでお読みいただけます。単独でご購入の場合は500円(税込み)です。

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離され島冒険記 (冒険小説)

以下、冒険小説「離され島冒険記」の序章(抜粋)です。本編もぜひお楽しみください。ご挨拶含めて400字詰原稿用紙200枚程度の青少年向け中編小説です。

石が道具として使われていた、遠い昔の物語です。

それは突然のことだった。地面が大きく揺れ、僕はしりもちをついた。

「きゃあ!」

「うわぁ!」

他の三人の叫び声が聞こえた。

「近くの木につかまれ!」

周囲に向かって叫んで、僕自身も野営地脇のむくのきにつかまった。土砂崩れのような音と共に、地面が傾くのがはっきりとわかった。そして一段と激しくなった揺れと共に、急激に落ちていくように感じた僕は、命が終わったと目をつぶった。

「ばっしゃーん!」

海が割れたかと思うような大きな音がして、次に体が浮き上がるような感覚がやってきた。続いて何度か浮き沈みを繰り返した後、激しい揺れはようやくおさまった。

何かがおかしい。さっきまで平場だった所が今では崖のように斜めになっていて、立つこともおぼつかない。取るものもとりあえず、周囲を見渡せそうな場所まで僕は移動した。

「みんな、大丈夫か?」

必死に仲間を呼んだ。崖上に木の実を採りに行っていたテラとソウの姉弟が、手を取り合って茂みから出てきた。もう一人のケンも這うようにやってきて、驚いた顔をしながらも周りを見回している。幸い、三人とも怪我をした様子はなかった。犬のコロが鼻を鳴らしながら足元に身を寄せてきた。普段は自分勝手にすごしているヤギ二頭も、よほど怖かったのか、草むらから出てきてこちらに近づいてきた。

「リョウ、いったい何があったの?」

テラが問いかけてきたが、僕自身何がどうなったのか全くわからない。

「とにかく男衆に合流しよう!」

皆に声をかけて、海辺の村を目指して歩き出した。本当は僕の心の中は不安だらけだった。正直な話、自分達が向かっている方向に目的の村があるのかどうかすらわからない。十日間、雨の中とはいえ、食料確保のために男衆と共に周囲を駆け回っていた。そのため、見知った風景になっていたはずのこの辺りの風景が、今は全く違う場所になってしまったかのように感じるのだった。揺れの後、地面が大きく傾いてしまったからだった。これまで確かに道だった所が、今は立って歩くことができないほど斜めになってしまっている。僕らは地面にへばりつくようにしてなんとか進んで行った。昨夜までの雨で所々ぬかるんでいるため、歩みは更に遅くなった。

お互いに手を貸しながら草をかき分け岩を乗り越えるとようやく視界がひらけた。しかし、目の前の風景に僕らは茫然として立ちつくすしかなかった。ここが旅の目的地なのだと男衆が指で差し示した海辺の村は、そこには無かった。ただ青い海と白い波が静かに広がっていた。

「あれは?」

ケンが指さした方向をみると、波しぶきの向こうに砂浜が見えた。そこは確かに僕らの目的地である海辺の村だった。やはり大きく揺れたのだろう。何棟かの家が倒れているのが見えた。そして、砂浜がどんどん遠ざかって行くのがわかる。目の前の海が広がっていく。僕らのいる場所、そこは海の上に浮かぶ島になっていた。しかも、波に揺られ陸から離れて行く動く島に。

「何なの、これ?」

テラがやっと声に出した。

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