離され島冒険記第二部「大陸へ」

離され島冒険記第二部「大陸へ」2-2.

「てつろへ向けて出発!」ゆっくりと船が進み始めた。大河を登っていくようだ。既に完全に顔を出した太陽の光を浴びて、河は黄金色に輝いていた。水面に揺らめく光の道を目にして、不安よりも何かに期待している自分の気持ちを僕は抑えるができなかった。
離され島冒険記第二部「大陸へ」

離され島冒険記第二部「大陸へ」2-1.

ソウが叫んだ。兵隊達の一人がソウの顔を平手で思い切りはたいた。ソウは吹飛んで倒れこんだ。テラが駆け寄ろうとするも、兵にがっちり腕をつかまれてしまう。僕もケンも屋台の主人と兵隊をにらむことしかできなかった。
棚田の恋

棚田の恋2-2.再会

陽子は手慣れた感じで車を発進させて、国道に乗り入れた。マニュアル、4WDの車だった。そのまま無言でアクセルを踏む陽子。良太は彼女の顔を見たい誘惑にかられたものの、陽子が見つめるフロントガラスの向こうを同じように眺めていた。
離され島冒険記第二部「大陸へ」

離され島冒険記第二部「大陸へ」1-9.

王の一隊が通り過ぎてからも人々の興奮は治まらなかった。大声で話す男達。寄り添い歩く男女。見たことの無い光景に僕らは戸惑うばかりだった。居たたまれない気分に皆が満たされていた。そんな中で最初にいつもの様子に戻ったのはソウだった。 「腹減った」
棚田の恋

棚田の恋2-1.活路

米農家を首になったものの、良太は東京には帰らなかった。ここまで来たのだから、田んぼで米を作りたい。その思いが良太の心を占めていたのだった。良太は工場での仕事を見つけて働きだした。
離され島冒険記第二部「大陸へ」

離され島冒険記第二部「大陸へ」1-8.

陸地に上がってほっとしたのもつかの間、遠くから何かを叩いたような大きな音がして僕らを驚かした。同じ方向から沢山の人が叫んでいるような声が聞こえた。「行ってみよう!」ラウトが走り出したので、僕らは慌てて後に続いた。
雑記

尖閣諸島の物語

1919年12月、中華民国福建省の漁船が日本の南西端である尖閣諸島付近で漂流していました。当時尖閣諸島魚釣島には多くの日本人が住んでいました。彼らは福建省の漁船を救い、乗船していた方々を石垣島まで届けました。
離され島冒険記第二部「大陸へ」

離され島冒険記第二部「大陸へ」1-7.

その朝目覚めると、次々に形を変えながら凄い速さで動いている雲が目に入った。前の晩までは追い風と潮の流れに乗って順調に進んでいたはずの筏が、元来た方向に徐々に流されている。リョウは立ち上がろうとしたが足元がおぼつず、立つことができなかった。
棚田の恋

棚田の恋1-9.失業

良太は、地元の農薬散布業者に手伝いとして貸し出されたのだった。「薬剤はおめーからな。わけー人めつかってえがったな(薬剤は重いから、若い人が見つかって良かったね)」良太は液体の薬剤をかき混ぜる役を仰せつかった。
離され島冒険記第二部「大陸へ」

離され島冒険記第二部「大陸へ」1-6.

僕らはラウトにお母さんがいないことを思い出してうつむいた。「君達と出会う前に僕は大きな陸に行ったのだ。その時にちょうど、沢山の兵士が並んで歩くのを見たのだよ。皆、腰にリキが持っていたような剣を下げていた。凄かったな」
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