離され島冒険記第二部「大陸へ」

離され島冒険記第二部「大陸へ」1-3.

テラの真剣なまなざしに一瞬全員が息を飲んだ。こんな時、最初に話し出すのは決まってソウだ。「お姉ちゃんが帰りたいのはわかるよ。まあ村の皆に元気な顔を見せたいよね。それに魚獲りも弓もこんなに上手くなったのだから腕を見せたいよな。いいよ、帰ろう」
離され島冒険記第二部「大陸へ」

離され島冒険記第二部「大陸へ」1-2.

「何言ってるの?それを決めるのはリョウ、あなたでしょう?」テラの言う通りだった。食料となる魚は自分達で調達できる。となると、そもそも島伝いに進むのであれば、この島の人々に手伝ってもらうことはそれほどない。
草原のチャド

草原のチャドKindle版

人が人になる前の冒険の物語。森の中で生まれたチャドは森と草原の行き来をしながら暮らしていました。私達の遠い祖先はどこから現れてどこに行ったのか。Kindle Unlimited会員は読み放題となっております。
離され島冒険記第二部「大陸へ」

離され島冒険記第二部「大陸へ」1-1.

引き潮の時、迷い込んだ魚を狙うため息を潜めて岩陰で待つ。水中を影が動いた。瞬間、先端の星屑石が煌めいた。銛を日にかざす。大きな石鯛がバタバタと暴れている。「リョウ、やったわね」後ろから声がかかった。いつの間にかテラが来ていたのだ。
棚田の恋

棚田の恋1-7.田植え

田植えの前に苗を育てるのは稲作にとってとても重要だ。「苗半分」つまり苗を上手く育てることは米策における収穫までの道程の内の半分を終わったようなものだという人すらいるほどだ。
棚田の恋

棚田の恋1-6.田舎

移住初日、日曜日だったが良太は研修先となる農家に到着の挨拶に向かった。米35ヘクタールを主体とする家族経営に近いの農業法人だった。一般住宅で言えば3階建て程度の高さのある真四角な建物の入り口ドアをノックして、アルミ製ドアを開く。
草原のチャド

草原のチャド2-5.あとがき

草原のチャドをお読みいただいてありがとうございました。ブログ版チャドの旅は将来の伴侶らしき女の子との出会いをもって終わりますが、改定の後、AMAZON kindleの電子書籍として出版します。そちらもお楽しみいただければ幸いです。
草原のチャド

草原のチャド2-4.最終話ー出会い

最初に目に入ったのは岩のようにごつごつした肌だった。長いしっぽ伸びる重そうな胴体の両側に前足後ろ足。自分よりもずっとずっと大きなその姿はぎょっとするほど恐ろし気だった。そして、その口には、女の子のしっぽが咥えられていた。
草原のチャド

草原のチャド2-3.発熱

川は大きく蛇行を繰り返し、先が見えなかった。途中餌の確保が難しく、チャドは草原を流れる川岸を進んでは森に戻るという日々を繰り返した。時々大きな動物が水を飲みにやってくる。相手はチャドのことなど気にもしないが、こちらはおっかなびっくり。
草原のチャド

草原のチャド2-2.出発

皆が寝静まったのを見計らって、チャドはゆっくり身体を起こした。丸い月の夜を選んでの行動開始だった。何せ、夜動くなら明るくなければ話にならない。山から見た、湖に続く川に行くには、他所の縄張りを大きく越えていかなければならない。
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