オリジナル小説「棚田の恋」
「PROJECT BABEL」カクヨム版-12月いっぱいの公開
拙著「PROJECT BABEL」ですが好評につき公募チャレンジを決定いたしました。つきましてはカクヨムでの公開は2022年内とさせていただきます。
カクヨム版-「棚田の恋」3 転機をアップしました!
第3話「転機」
ブログ連載時より大幅改定しております。ぜひ、お読みください。m(_ _)m
カクヨム版-「棚田の恋」2 届いた荷物をアップしました!
第2話「届いた荷物」
ブログ連載時より大幅改定しております。ぜひ、お読みください。m(_ _)m
カクヨム版-「棚田の恋」1 週末をアップしました!
拙著「棚田の恋」を大幅改定して、自作小説投稿サイト「カクヨム」に連載開始しました。
棚田の恋2-7.最終話「蛍の光」
数年が過ぎた。良太は相変わらず棚田に通い続けていた。米作りだけで生活するのはとうの昔に諦めて、工場勤めをしながらの週末農家。はじめは派遣社員だったものの、真面目に働く良太はいつしか正社員の立場を手に入れていた。
棚田の恋2-6.台風来る
丸ひと月ほども逢えずにいた。小高い山の棚田には、週末毎に良太が操る仮払い機のエンジン音が低く長く、そして寂しげに響き渡るのだった。大型台風が天気予報図に姿を現したのは、あと2週もすれば出穂という時期だった。
棚田の恋2-5.田起こし
棚田は陽子のおじいさんが亡くなってから数年間放って置かれていた。使われなくなった田んぼはあっという間に自然に戻って行く。しかし、木が生えてはさすがにご近所の手前体裁が悪いと、除草隊の親方は木についてだけは生えてくる度に伐採してくれていた。
棚田の恋2-4.作業開始
毎週、休みの日が来ると良太は棚田のある山に足を運んだ。最初に手を付けたのは水路だった。いずれ田んぼそのものに手をかけなければならないものの、先ずは水路だと良太は考えた。田んぼの整備で最も手間がかかるのは田んぼの水漏れを防ぐための畦塗りだ。
棚田の恋2-3.前進
「余所者には貸さねえよ」いきなり拒否の言葉が親方の口から発せられた。「どうせすぐ諦めて東京に帰るってお父さん言っていたけど、良太さん今もここにいて頑張っているんだよ。話くらい聞いてあげても良いんじゃないの?」陽子が横から声を上げた。
棚田の恋2-2.再会
陽子は手慣れた感じで車を発進させて、国道に乗り入れた。マニュアル、4WDの車だった。そのまま無言でアクセルを踏む陽子。良太は彼女の顔を見たい誘惑にかられたものの、陽子が見つめるフロントガラスの向こうを同じように眺めていた。